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masamode 日記

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2008年01月 アーカイブ

謹賀新年

あけましておめでとうございます!

今年は、いよいよメディアデザイン研究科が始動します。
創造社会にむけて、地球規模でがんばりたいと思いますので、ご支援ください。

今年は、このブログで一年間これまでに読んだ本の中からメディアデザインに関連する本を新旧取り混ぜて紹介していきたいと思います。

最初の一冊は、地球環境を考えさせられる一冊です。

米国元副大統領アル・ゴア著の"不都合な真実"です。
ノーベル平和賞受賞のきっかけとなった温暖化に関する本。自然と文明、経済発展の関係を考えさせられました。特に、ハイチとドミニカの国境の写真が印象に残っています。国の政策で、緑がこれだけはっきりと変わり、国境線が肉眼で見ることができるとは。。。
次の世代に何を伝えるべきなのだろうか。そして、メディアデザインはどのような貢献ができるのだろうか。


コラボについて

今日の1冊は、Keith Sawyer著の"Group Genius"です。最近読んだ本の1冊で、今研究で興味を持っているCollective Creativityの概念を組織にあてはめた内容です。
組織論において、チームワークは重要であり、いかに効果的なチームを構成するかについて解説しています。


五感

まだ、お正月なので少し軽い本を紹介します。
今日の1冊は、Herve Tullet著の"The Five Senses"です。五感に関するビジュアル本。テキストなしで五感を語っているので、少し読むのに疲れたときに、感覚的に楽しめる本です。


文化は地域のアイデンティティ

今日は、後藤和子編の「文化政策学」を紹介します。
この本は、文化をどのように国として支援していくのか海外の例を含めわかりやすく紹介している文化政策に関する入門書です。創造社会において、文化と産業の関係性を含めいかに文化について政策として支援・整備していくかは重要な問題の1つです。
「生活の芸術化」は、生活の質を高めるための大事な価値を創り出す、と解説しています。CRESTで活動している生活用品や環境のコンテンツ化に関する研究も「生活の芸術化」に貢献できると感じています。


文化の発信 羽衣プロジェクト

羽衣プロジェクトは、日仏文化交流150周年記念としてのイベントです。開催地は、パリの日本文化会館。1月22-23日のシンポジウムと24日ー26日のCG融合ミュージカルの構成となっています。このプロジェクトは、数年前から始まった福島県の民話番組を多メディア展開していく1つとしてミュージカルをやったことがきっかけです。この番組では、パリの制作スタッフも関わっていたため、いつかパリでも公演できたらいいなあ、という夢があったのですが、今回実現しました。
このプロジェクトは、新しいミュージカルを実践するデザイン、その中で使われているCGテクノロジ、文化コンテンツとしてのマネジメント、文化を発信するポリシー(政策)が1つの力となっています。
パリっ子に受け入れてもらえるだろうか、という不安と期待がありますが、準備は順調に進んでいます。


CGソフトウェア開発

今日の1冊は、W. Daniel Hillis著の"The Connection Machine"です。かなり古い本ですが、今でもamazon.comで入手可能のようです。

並列コンピュータのコネクションマシンで、いかにプログラムを開発するかを解説した本。MITメディアラボでレイレーシングをプログラム開発しているときにConnection Machineを使ったらどうか、と誘われたことを思い出します。当時は、LINKS-1が大阪大学で開発されて、レイトーレシングを並列処理することへの関心が高かった記憶があります。

進化するバーチャルクリーチャーの研究と作品で有名なKarl Simsも、Connection Machineで開発していました。


アカデミー賞

研究室の卒業生が、現在デジタルドメイン社で活躍していますが、今回のアカデミー賞でScientific and Engineering Awardsを受賞しました。研究室を発足させたときに、1つの大きな目標でしたがすばらしい卒業生の活躍で実現しました。

良い年になりそうです。


ひらめき

クリエイティブであること。これは研究室の目標です。今日の1冊は、Dorte NielsenとKiki Hartmann著
"Inspired"です。
「ひらめき」=inspiration。いろいろなクリエイターの仕事のスタイルなどを通して、アイディア発想の見つけ方をビジュアルに紹介しています。つまり、クリエイティブな仕事の源に関する本です。たとえば、ファッションデザイナーのポール・スミス氏は観察をするそうです。そうすると、野菜を見ても突然Tシャツの柄が思い浮かぶそうです。


読売広告大賞

研究室の卒業生を含むチームが、第24回読売広告大賞の大賞を受賞しました。ヤマハ音楽教室の音楽教育活動を通して、明るく健全な社会づくりに貢献したいという願いを伝えるための広告デザインです。

今年は、卒業生からの相次ぐ朗報で始まりましたので、研究室もKMDという新体制を含めてがんばります。


近未来のスマートデバイス

正月に読んだ1冊は、Donald Normanの最新の著書"The Design of Future Things"です。

生活用品などのデザイン書を数多く執筆しているノーマン。スマートプロダクトをいかにデザインするべきか、を解説しています。本当に自動化(automation)、インテリジェント化(smart, intelligent)が人にとってよいことなのか、を解説しています。エッセイに近い軽い読み物ですが、CRESTの研究でスマートなモノ達をデザインしているので少し考えさせられました。


コマーシャル映像の魅力

今日は、映像のクリエイティブな軽い本を紹介します。Thomas Richter著の"The 30-Second Storyteller"です。

映像をやりたい人は、映画にあこがれますが、超短編ともいえるコマーシャル映像も究極の映像表現の1つだと思います。この本は、30秒という短い時間での映像制作に特化した本です。アメリカでは、コマーシャルは30秒が基本なので、30秒のストーリーテリングについて書いてありますが、日本の15秒でも同じです。


アートとデザインとクラフト

少し前に、学生の頃の話を題材にしたので、その続きとして今日も学生の頃を思い出して紹介します。

今日の1冊は、R.G. Collingwood著の"Principles of Art"です。

この本は、大学院生の時にアートセオリーの授業のテキストとして読んだ本で、1938年に書かれたアートセオリーの重要な1冊とみなされています。アートとクラフトの違いはなにか、アートとマジックの違いはなにか、などをディスカッションした記憶があります。自分にとっては、アーティストとして作品を理論として語るトレーニングの出発点でした。


YouTubeは映像視聴を変えるか

今日は、神田敏晶著の「YOUTUBE革命」を紹介します。
この本は、YouTubeがどのように映像革命を起こしているのかを解説しています。視聴率、広告モデルによる現在の放送メディアは限界に来ていて、蓄積型あるいはコミュニティ型の新しい視聴スタイルが始まっていることを事例や統計データを使って説明しています。

CESが現在開催中ですが、松下がYouTubeを見ることができる大型ディスプレイを開発する、というニュースがありましたが、YouTubeを見る、という機能がデバイスの特徴である、というほどYouTubeは映像視聴に大きな影響を与えています。

神田さんは、本の中でも紹介されていたBlogTVのレギュラーも務めていらしたのですが、そのときに研究室の取材も数回していただいています。


ブランド価値と戦略

今日は、刈屋武昭編著の「ブランド評価と価値創造」を紹介します。
この本は、ブランドを企業価値としてどのように算出しマネジメントするかについて解説しています。

BusinessWeekで毎年発表している世界のブランド・ランキングとそのブランドの価値価格についても、Interbrand社の算出方法であるBrandValuation法について詳しく説明しています。

昨日、松下電器産業が、パナソニックに社名変更する、というニュースがありました。世界戦略としてブランドを強化することが目的の1つだそうで、まさしくこれからはブランド価値創造が重要となります。


カナダのCreative Industry

今日の1冊は、津山恵子著の「カナダ・デジタル不思議大国の秘密」です。
カナダのCreative Industryはどうして成功しているのか。そのソフトパワーの源を探る本です。政府、産業、教育が連携してすばらしい効果をあげていることがわかります。日本も、ソフトパワーの戦略をきちんと立てていかないと手遅れになるかもしれないと危機感を持っています。


街で見つける日本ポップカルチャー

今日は、以前中国に旅をしたときに本屋で見つけた本を紹介します。麥燕雯著の「無茶苦茶」という本です。

これは、中国人が日本に滞在して感じた日本を表現している本。中国語は読めないので、画像から判断。最後に原宿を画像集で紹介しています。帯になった画像を切り取って並べると明治通りを再現できる、ということで、「原宿明治通再現玩具」という章なのですが、海外の人が撮る日本の街はいつもは意識しないようなことが被写体になっていて、ローカルの特性を感じます。


水の表現

今日は、water展の最終日で、やっと時間を見つけて見ることができました。卒業生が関わっていたので、彼らの作品を見たい、と思っていましたので、間に合ってほっとしています。

水で、多彩な表現ができることを肌で感じました。デジタルでなくとも、これだけ面白い。デジタル技術を使ったら、もっと面白いものができるのだろうか、と考えながら一日を過ごしました。

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映像演出

今日は、撮影の演出に関する本を紹介します。
Jeremy Vineyard著の"Setting Up Your Shots: Great Camera Moves Every Filmmaker Should Know"という本です。

映像の撮影に関する入門書。いろいろな手法をイラスト付きで解説し、映画作品でどのように使われたかについても説明されているのが特徴です。このような本が多いことは、映像産業が根付いていることを反映しているのでしょう。


Physical Computing

現在CRESTの研究でユビキタス社会に向けた新しいモノを創ることをやっていますが、今日はこのモノ系研究に役立つ技術の入門書を紹介します。
Dan O'SullivanとTom Igoe著の"Physical Computing"です。

この本は、ニューヨーク大学ITPの教員二人が執筆して、授業で活用されているようです。センサーやアクチュエイタを使って簡単なハード制御のモノ系コンテンツを制作するための入門書としては、お薦めです。電子工作やハード制御のプログラミングをやったことがない人にもわかりやすく解説しています。


知財とコンテンツ

今日の1冊は、荒井寿光著の「知財革命」です。

この本は、知財とコンテンツ戦略について解説しています。また、知財やデジタルコンテンツの研究教育の必要性についても触れており、KMDの母体となっている慶應大学DMCについても紹介しています。


インタラクションデザイン作品

今日は、Andy Cameron編の「The Art of Experimental Interaction Design」を取り上げます。

この本は、いろいろなインタラクションデザイン作品を紹介している、ビジュアルな本です。この本で紹介された作品で注目したいのは、Rael Lozano-HemmerのBody Moviesですが、この作品は影を壁面に投影して、影の中に別の映像を映し出す作品です。


モバゲー

今日は、石野純也著の「モバゲータウンがすごい理由」を紹介します。

世界中の人がケイタイでつながりはじめていますが、ケイタイは、もはや電話ではないように思います。その証拠に、ケイタイコンテンツが大流行しています。進化し続けているケイタイは、ビデオカメラでもありゲーム機にもなろうとしているのです。この本は、ケイタイコンテンツのビジネスとして急成長しているディー・エヌ・エーのビジネス戦略を解説しています。モバゲーのビジネスに迫ります。


六本木クロッシング2007

「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展」カタログが今日のテーマです。

この本は、森美術館で開催されていた展覧会のカタログです。この展覧かいで最も印象に残った作品は、榎 忠氏のRPM-1200という作品で、圧巻でした。この作品は、近未来都市を無数の金属パーツを旋盤加工機で磨いて、配置していった作品です。展望台のような場所に立つと、周りを金属パーツの未来都市が囲み、SF映画のシーンを見ているような錯覚を覚える作品でした。


フランク・ゲーリー

今日は、Bruce Lindsey著の「Digital Gehry」を取り上げます。

この本は、名前のとおり、有機的な形の建築で有名なゲーリーの建築デザイン手法を解説した本。いかに有機的な建築をデザインするのか、というプロセスを解説しています。

フランク・ゲーリーは、スペインのビルバオ市に建築したグッゲンハイム美術館のデザインで特に有名です。ゲーリーのほかの注目建築は、LAのDisney Concert Hall, 現在進行中のルイビトンFoundation for Creation などです。


シンプルであること

今日の1冊は、John Maeda著の「The Laws of Simplicity」です。

ジョン・マエダは、世界的に活躍しているデザイナーであり、MITメディアラボ教授です。
このシンプリシティという概念は、リッチメディア、デバイスにおける豊富な機能が搭載され続けている中で、複雑化する傾向に対してシンプルであることの重要性とそのデザイン論を展開しています。
この概念は、webでも発信しています。
フィリップスでもこの概念を最近取り入れています。
この本の中で、ジョン・マエダは、MITメディアラボ教授をしつつ、MITのビジネススクールの学生をやっていて、MBAを取ったようです。すごいですね。教授兼学生。うらやましい。。。

そして、ビッグニュースです。
ジョン・マエダが移籍するらしいということ。
RSDI(リズディー、と読みます)の学長になるそうです!
RSDIは、Rhode Island School of Designで、ニューヨークから車で1時間くらい?の場所です。
米国の美大ではトップクラス。


メディア・エンタテイメント

Dolf ZillmannとPeter Vorderer (編)の「Media Entertainment」という本を取り上げます。

この本は、ゲーム、スポーツ、音楽、などのエンタテイメントについて解説しています。また、コメディ、ホラーなどのジャンルなど多角的な視点からメディアエンタテイメントを紹介している点がユニークです。


位置情報の取得

今日は、Axel Kupper著の「Location-Based Services」を紹介します。

この本は、位置情報を取得するための様々な技術を解説しています。場所を活用するコンテンツを実装するためには、位置情報の取得が必要です。GIS、ケイタイからの情報取得、衛星からの位置情報、GPSやRFIDの活用などが紹介されています。


フランフラン

今日の1冊は、川島蓉子著の「フランフランの法則」です。

この本は、ライフスタイルを売る戦略としてのフランフランのショップについて解説しています。

商品群としてのストーリー性を重視していることなど、プロダクトを売る発想を捨てることが重要である、と再認識します。


ドラえもんと科学技術

今日は、週末なので楽しい夢物語を。桜井進著の「2112年9月3日、ドラえもんは本当に誕生する!」を紹介します。

この本は、ドラえもんに登場する数々の道具たち:「タケコプター」「どこでもドア」などが、いかがにSFではなく科学技術に裏づけできる未来を予見する道具たちかを説明しています。


CG融合ミュージカル「羽衣伝説」パリ公演

パリの日本文化会館で開催したCGと舞台を融合させたミュージカル「羽衣伝説」が無事全公演を終了しました。フランス人にどのくらい受け入れてもらえるか心配していましたが、「ブラボー」という声を聞いてホットしました。

今の自分にとって、演劇はクリエイティブな活動を本格的に始めた原点でもあります。その当時は、sound designerという肩書きでしたが、今回はCGプロデューサー。いろいろなすばらしい人たちに制作してもらったCGを舞台とシンクロさせて出力していく方法でライブの掛け合いをやりました。サウンドデザイナーの頃と同じ方法です。

やはり、ライブはいいですね。毎回違うというスリルと最後の拍手。これは、デジタルコンテンツや映画で味わえない感動です。
キャストの皆さん、スタッフのみなさん、CGチームの皆さんに心からありがとうございました!
すでに音楽担当の服部隆之さんとは、次のアイディアで盛り上がっています。

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熱唱する大塚ちひろさん

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子役たちのかわいい演技


インタラクティブなストーリー

今日の1冊は、Mark S Meadows著の「Pause & Effect」です。

この本は、インタラクティブなストーリーと演出について解説しています。特にSpaceとPlaceについて書いている第3章が興味深く、授業でもspaceとplaceの違いについて学生と議論しているので役に立ちます。


ローカルなアイデンティティ

今日は、博報堂地ブランドプロジェクト編著の「地ブランド」という本について書きます。

この本は、グローバル社会において、ローカルな地元をいかにブランディングして活性化していくかについて取り組んだ成果がまとめられています。いろいろな事例を紹介しながら、わかりやすく解説しています。

パリらしさ、ニューヨークらしさ、東京らしさとはなんだろうか。大都市でない、小さな町の個性はなんだろうか。以前イタリアのアルベロベッロという小さな町に旅をしたことがありますが、今でも数多く訪れた町の中でも強く記憶に残っている場所です。


音と映像の調和

今日は、古い本を紹介します。John Whitney著の「Digital Harmony」です。

CG初期(81年)に、CGと音楽の融合を目指し、デジタルハーモニーという理論を展開した重要な本です。理論と実践で構成された本で、メディアアートやメディアデザイン分野の研究スタイルの参考になります。音と映像をどのように調和させたらいいのか、と疑問に思ったときに非常に役に立ちます。


1月に紹介した書籍

1月に紹介した書籍一覧は、以下のとおりです。

アル・ゴア著の"不都合な真実"
Keith Sawyer著の"Group Genius"
Herve Tullet著の"The Five Senses"
後藤和子編の「文化政策学」
W. Daniel Hillis著の"The Connection Machine"
Dorte NielsenとKiki Hartmann著"Inspired"
Donald Normanの最新の著書"The Design of Future Things"
Thomas Richter著の"The 30-Second Storyteller"
R.G. Collingwood著の"Principles of Art"
神田敏晶著の「YOUTUBE革命」
刈屋武昭編著の「ブランド評価と価値創造」
津山恵子著の「カナダ・デジタル不思議大国の秘密」
麥燕?著の「無茶苦茶」
Jeremy Vineyard著の"Setting Up Your Shots: Great Camera Moves Every Filmmaker Should Know"
Dan O'SullivanとTom Igoe著の"Physical Computing"
荒井寿光著の「知財革命」
Andy Cameron編の「The Art of Experimental Interaction Design」
石野純也著の「モバゲータウンがすごい理由」
「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展」カタログ
Bruce Lindsey著の「Digital Gehry」
John Maeda著の「The Laws of Simplicity」
Dolf ZillmannとPeter Vorderer (編)の「Media Entertainment」
Axel Kupper著の「Location-Based Services」
川島蓉子著の「フランフランの法則」
桜井進著の「2112年9月3日、ドラえもんは本当に誕生する!」
Mark S Meadows著の「Pause & Effect」
博報堂地ブランドプロジェクト編著の「地ブランド」
John Whitney著の「Digital Harmony」


ユビキタスコンテンツ・シンポジウム2008

来週8日、9日の二日間、面白いシンポジウムがありますので、是非ご参加ください。
詳細は、以下のとおりです:

「ユビキタスコンテンツシンポジウム+Media Design Tours 2008展」のお知らせ

人や状況によって変化していくダイミックな機構を有し、モノや環境に溶け込んでいくユビキタスコンテンツは、衣食住遊の領域において、コンテンツ同士がネットワークでつながり、ユーザエクスペリエンスの蓄積や連動を可能とさせるコンテンツです。このような領域におけるインタラクションデザインに対して、従来のデザイン理論のみでは不十分であり、ユビキタスコンテンツとして、新たなデザイン理論を構築する必要に迫られています。

本シンポジウムでは、慶應義塾大学においてCREST「ユビキタスコンテンツの研究」(研究代表者 稲蔭正彦)の本年度までの研究成果を発表する場として、「インタラクションデザインの脱構築」をテーマに据え、未知の領域へのデザイン理論について、ゲストスピーカを交え議論を行うとともに、作品展示を通じてわれわれの新たなデザイン理論を踏まえ構築したユビキタスコンテンツを体験していただきます。同時にユビキタスコンテンツ・プラットフォームとして開発中の統合開発環境xtelの技術デモンストレーション、およびxtelを用いて開発されたデモコンテンツの展示を行います。


日時: シンポジウム 2月8日 10:00-18:00
Media Design Tours展 2月9日10:00-16:00
場所: 丸の内 三菱コンファレンススクエア M+
   http://www.marunouchi-hc.jp/emplus/index.html

事前登録方法(先着200名):
シンポジウムへのご来場をお考えの方は、
・お名前
・所属
・電話番号
・メールアドレス
を添えて、 crestorm@imgl.sfc.keio.ac.jpまでメールをお送りください。

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ユビキタスコンテンツシンポジウム プログラム:
第1部【コンセプト】

『創造社会における「楽しい」ユビキタスコンテンツ』稲蔭正彦(慶應義塾大学教授) + ラース・ホルムキスト(モバイルライフセンター)

デジタル革命によってマスメディアからパーソナルメディアへとパラダイムシフトしはじめており、創造社会が形成されつつあります。創造社会では、個人一人ひとりの「心」の豊かさや「創造性」を重んじる社会となります。生活をいかに豊かにするか、生活を楽しくするか、をデザインするライフスタイルメディアのデザインが求められています。ユビキタスコンテンツの研究は、まさに創造社会における新しいメディアコンテンツ領域であり、ライフスタイルの経験をデザインするための研究活動です。本講演では、創造社会における「楽しい」経験のデザインについてこれまでの研究成果をとおして解説します。

第2部【実践】

『xtel: Ubiquitous Contents Platform』石澤太祥+植木淳朗

『ピクセルからファブセルへ』脇田 玲(慶應義塾大学准教授)

コンピュータによる表現を実空間に導入すること。そのための基本要素としてCGにおけるピクセル / 曲線 / 曲面のモデルを擬態する新しいアクチュエータを開発しています。また、これらの技術が実現するアプリケーション群とその先に期待される新しい社会モデルを検討します。

『ネイチャーインターフェイスデザインの視点から』田中浩也(慶應義塾大学専任講師)

これからのインタラクションデザインは、閉じた「人間?機械?環境」系のみならず、植物や動物のような異なる種の生物も含め、自然界の生態系に対して開かれたデザインを目指していくべきと考えます。また、そのようなコンセプトから生まれたプロトタイプを紹介します。


第3部【理論】

『近未来生活環境におけるインタラクションデザイン
 ?サイバニクスとユビキタスコンピューティング?』

山海嘉之(筑波大学教授)+奥出直人(慶應義塾大学教授)

本セッションでは、近未来における衣食住遊などの生活環境デザインをキーワードに据え、サイバニクスやユビキタスコンピューティング領域における実例を交えながら、社会と身体におけるインタラクションデザイン理論の今を議論します。

奥出直人教授による『生理と身体性/経験の蓄積に基づいたユビキタスコンテンツ理論』の講演に加え、特別ゲストとしてサイバニクス領域の第一人者である筑波大学の山海嘉之教授を招き、ロボットスーツHALの開発の背景を踏まえた『サイバニクスにおけるインタラクションとそのデザイン』についてのご講演頂きます。

講演後の対談では、共に近未来環境において私たちの生活により浸透することが予測される、サイバニクスとユビキタスコンピューティングの融合した社会像におけるデザインのあり方を情報哲学・科学哲学的見地から模索します。また、研究の場で生まれた理論が今後、どのようにして私たちの生活へ浸透していくのかという実社会への還元の視点から議論することも予定しています。

本件に関するお問い合わせ先:
252-8520
神奈川県藤沢市遠藤 5322
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス ΔS110
CREST ユビキタスコンテンツプロジェクト
tel/fax: 0466-49-3545
E-mail: crestorm@imgl.sfc.keio.ac.jp



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